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米ロースクールで返済不要の奨学金があるの?検証 [日常]

日本のニュースを見ていると非常にびっくりした記事を目にしました。誰が行くかの詳細はタブロイド紙を参照していただきたいのですが、アメリカのプロフェッショナルスクール、今回はロースクールに返済不要の奨学金で授業料免除となって留学出来るという事実です。

例えば
小室さん、米フォーダム大留学 全授業料免除の奨学金で

フォーダム大学自体は母校と同じ系統の大学で留学協定を結んでいたので名前だけは知っていました。現米大統領も通ったことがある、とのことですがどうでもいい話です。アメリカの私立はお金を払えるのが大事ですから。事実を調べるべくその大学のHPに行きました。

School of Law - Fordham University

確かにHP上に上記の日本人が留学することが書かれていました。今回はこのことに触れるのは本質でないのでスキップします。見たい方は下のリンクをどうぞ。

Kei Komuro, fiance of Princess Mako of Japan, to attend Fordham Law

彼が授賞したのはMichael M. Martin Scholarshipという奨学金のようです。

The Martin Scholarship is a merit scholarship covering the full cost of tuition from Fordham Law based on his strong academic and other credentials. The Martin Scholarship is not a loan and does not need to be repaid.

(マーティン奨学金は、彼の学力と他の資格に基づいて、フォーダム法務大学院の授業料の全額をカバーする能力に基づいた奨学金です。マーティン奨学金はローンではなく、返済する必要はありません。)

確かに返済不要の奨学金のようです。普通アメリカ人ですら多額の借金をしてロースクールなどプロフェッショナルスクールに行くのですが、このような奨学金があることは全く知りませんでした。ただ応募にあたりother credentialsって何が必要なんでしょうか?

応募の仕方を見てみました。

How to Apply

To be considered for the Feerick, Treanor, or Martin Scholarship, applicants must (1) ensure that their LL.M. application is fully completed, with all supporting materials having been received by our office; and (2) submit a single 500-word essay describing why you believe that you possess the character traits of one or more of these former Law School deans. The essay should be sent via email to llm@law.fordham.edu with the subject “Feerick, Treanor, and Martin Scholarship Essay.”

(Martin奨学金の授賞対象となるには(1)LL.M.課程への入学願書をすべて完成し、すべての補助資料が入学事務局に届いていること、(2)1人以上の元法科大学院学部長と同様の特性を志願者が持っていると信じる理由を説明する500語のエッセイを1部提出すること。エッセイは電子メールでllm@law.fordham.eduに "Feerick、Treanor、and Martin Scholarship Essay"という題名で送付すること)

何でもって奨学金を創設した元学部長と自分が同じ性格的特徴をもつかどうかわかるのでしょう?まともに論ずるのなら色々本を読んだりして結構な準備がかかると感じました。それに対して500語以内って少なすぎる感じがします。求めていることがちょっと理解しがたいです。

The Feerick, Treanor, and Martin Scholarships are merit-based and awarded at the discretion of the Admissions Committee. Along with the essay, the Admissions Committee will make awards based on all materials in each applicant’s file. Preference will be given to applicants who do not have third party funding already in place.

(Martin奨学金は志願者の能力に基づいており、入学事務局の裁量で授与されます。このエッセイとともに入学委員会は各応募者のファイル内のすべての資料に基づいて賞を授与します。既に第三者による資金調達を行っていない申請者が優先して選ばれます)

入学事務局の裁量で授与される、とのことですから単純に内容がいいだけでなく、志願者が入ることで(私立)大学にいかにメリットがあるか、ということも考慮されると考えたら深読みしすぎでしょうか。

Recipients will remain responsible for fees and living, travel, books, and other expenses.
(授賞者は、手数料、生活費、旅費、書籍費およびその他の費用の責任を負います)

つまりあくまでも免除されるのは授業料のみ、ということです。それでは費用はどれだけかかるのでしょうか?大学のHPに暫定的な費用が掲載されていました。LLM full-time divisionの金額です。

Fixed/Direct Expenses
Tuition: $59,538 | Fees: $868

Living Expense Allowance(生活費)
Room and Board(寮費と食費): $20,010
Books and Supplies(本とその他必要なもの): $1,840
Travel(移動代、旅費): $1,812
Miscellaneous/Personal Expenses(その他): $4,245

TOTAL: $88,313 ($91,386 with *health insurance)

免除はtuition(学費)である $59,538で、さらに留学生はHPにある通り$3,073の健康保険に加入する必要がありますから、ざっくり$28,775/年、ということでしょうか。私の留学経験上、大学側が算出する移動代、その他費用はかなり低く見積もっています。マンハッタンの物価を考えた場合、Room and Board(寮費と食費)で$20,010は非常に良心的な価格に見えます。一方で春と秋学期しかないので、夏3ヶ月は日本に帰るかそれとも滞在するなら別料金で寮や他のところに泊まる必要がありますが、これらはここに含まれていません。これらを考慮に入れると授業料が免除されても年3万ドルの負担は最低覚悟しないといけないでしょうね。

私自身ロースクールに興味ありましたがこんな金額出せないので、諦めました。残念です。
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