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新型コロナウイルスについて学習、その2、嗅覚編 [コロナウイルス]

3/29に少しずつ新型コロナウイルスを知るために、自分なりに理解したことを記しました。今回は2回目です。あくまでも私の勝手な解釈なので鵜呑みにしないで下さい。

前回味覚がおかしくなる話は調べましたが、嗅覚の変化については見かけませんでした。気になったので調べてみると、あることはありました。

実はというか知られていることかと思いますが、今回のコロナウイルス(SARS-CoV-2)とSARS(SARS-CoV)の受容体(つまり侵入経路)は一緒でACE2です。まずSARS-CoVで何か出てないかなと調べたら、ねずみを利用した実験で嗅覚がやられうることを示す結果がありました。

Severe acute respiratory syndrome coronavirus infection causes neuronal death in the absence of encephalitis in mice transgenic for human ACE2.

We use these mice to show that virus enters the brain primarily via the olfactory bulb, and infection results in rapid, transneuronal spread to connected areas of the brain.

(マウスによる実験では、ウイルスが主に嗅球を介して脳に侵入し、感染すると脳と接続された領域に神経を介して急速に広がることを示している)。

Our results show that neurons are a highly susceptible target for SARS-CoV.

(我々の結果は、神経細胞がSARS-CoVにとって非常に影響を与えやすい標的であることを示している。)

新型コロナウイルスが脳に影響を与える、という例はあまりないようですが、今日どこかで髄膜炎を発症された方がいる(幸いにも快方に向かっている)というので、無きにしも非ずなのかと思っています。

この結果を支持する文献として、以下のレビューがありました。

Evidence of the COVID-19 Virus Targeting the CNS: Tissue Distribution, Host–Virus Interaction, and Proposed Neurotropic Mechanisms
(中枢神経系を標的とするCOVID-19ウイルスの証拠:各組織における分布、ホストとウイルスの相互作用、および提案される神経向性メカニズム)

下の図(B)で以下のように述べています。

Figure 1
apirl2.jpg

(B) Neurotropism may occur via circulation and/or an upper nasal transtibial route that enables the COVID-19 to reach the brain.

((B) COVID-19が脳に到達しうる血液や上部鼻下腿を経路として向神経性が起こる可能性がある)

さらにここではSARSのウイルスと比べて新型コロナウイルスの感染性が高いのか、紹介されていました。元論文を辿れば、この根拠を詳しく理解できるかと思います。

It was shown that the ACE2 binding affinity of the 2019-nCoV spike protein ectodomain was 10−20-fold higher than that of the SARS-CoV spike protein.

(2019-nCoVのスパイクタンパク質外部ドメインのACE2に対する結合親和性が、SARS-CoVスパイクタンパク質のACE2結合親和性よりも10〜20倍高いことが示されている)。

ただ私の理解では新型ウイルスではなぜ味覚や嗅覚がやられても、比較的無症状でいられるかは今のところ分からず仕舞でした。脳までいった症例が少ないのもそのせいかも知れません。また時間があった時に別の論文を読もうかと思います。

その3に続く(でしょうか?)。
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