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アメリカでコロナウイルスの検査はいくらかかるか?その2 [コロナウイルス]

3月8日の記事の続きです。

アメリカでコロナウイルスの検査はいくらかかるか?その1

それでは実際どのくらい検査費用がかかるかというと、元記事(CNN)ではこう説明されています。

How much you’ll owe depends on several factors, including what insurance you have, where you seek treatment and what tests providers give you.

(支払いがどれぐらいになるかは、どんな保険にかかっているのか、どこで治療を受けるのか、そして検査する人が貴方に何を提供するか、などいくつかの要因で決定されます。)

記事では日本では聞き慣れない”deductible”という言葉が出てきますが、これは保険屋が使う言葉で医者に見てもらった場合、いくらまでは患者の個人負担という決まりです。これらを設定することで保険屋は何でもかんでも治療費を患者に代わって医者に支払うことから避けられ、一方で患者側は月々の保険料の割引を受けられます。またこの額も色々と設定でき、deductibleが大きければ大きいほど保険料は安く、deductibleが小さければ保険料は高くなります。

簡単な例をあげるならば、ある患者が医者の診察を受け、保険屋と交渉の結果請求額が1000ドルだとします。もしdeductibleが500ドルならば、自己負担額(out-of-pocket costと言われます)は500ドル(残りは保険屋が支払う)となるわけです。deductibleが1000ドルならば保険に入っていても全額自己負担となります。実際には見てもらった医者が自分の保険のネットワークに入っているかどうか、そして診察項目、検査項目によって保険が適用範囲かどうか、何%まで適用されるか、などかなり細かいことを考慮しなければならず、毎回請求書が来るとどれだけ支払わないといけないのか正直ビクビクします。

以上のことから記事では以下のようなことが書かれるわけです。

Those feeling sick can call their insurers to learn what the costs they might incur.

(体調が悪い人は、保険会社に電話して発生しうる費用について学びましょう)

State governments and the Trump administration are also looking to relieve the financial burden so Americans don’t hesitate to get checked out.

(州及びトランプ政権はアメリカ人が医師の診断を仰ぐことに躊躇しないよう、財政的負担を軽減しようとしています)

実際ニューヨーク州の知事が州の保険会社に、コロナウイルスの検査に関連する費用分担を放棄するよう要求した、と書かれています。ただその州の保険会社が応じた、という記事は今日現在でも見ていません。コネチカット州の保険会社は応じたみたいですが。

ConnectiCare latest insurer to cover cost of coronavirus testing

それでは私が(雇用主から提供され)入っている保険会社はどうなのでしょうか?

COVID-19 - BlueCross BlueShield of Louisiana

ここには以下の文言がありました。

Blue Cross will cover, with no cost share to the member, the appropriate medically necessary diagnostic testing for COVID-19 and ensure patient testing and any subsequent needed care are done in close coordination with federal, state and public health authorities.

(Blue Crossは、COVID-19の医学的に必要で適切な診断検査をメンバーに費用負担を強いることなくカバーし、連邦、州、および公衆衛生当局と緊密に連携して患者検査とそれに続く必要なケアを確実に行います。)

これは心強いです。でもその文章の前に以下の一文がありました。どういう意味なんでしょうか?

Waive Prior Authorizations for Diagnostic Tests and for Covered Services that are Medically Necessary and Consistent with CDC Guidance if diagnosed with COVID-19.

COVID-19と診断された場合、診断テストとCDCのガイダンスに従い医学的に必要であるサービスの事前承認を求めません。)

つまりコロナウイルス感染ではなかった場合どうなるんでしょうか?少なくともインフルエンザの検査費用、治療費用はもちろんお金がかかるよ、という理解が必要なはずです。これだとdeductibleを高く設定している患者は安心して医者に罹れない感じがします。

新聞の記事(以下参照)でも書かれていますが、やはり問い合わせが必要なようです。

Blue Cross to waive fees for coronavirus testing in Louisiana, among other insurers

While people who suspect they've been sickened by the virus should not delay calling a doctor, insurance experts say consumers should still call their insurance plan as a follow-up to learn what medical services are fully covered and which ones may involve an out-of-pocket cost.

(ウイルス感染の疑いがある人は医師訪問を遅らせるべきではないが、保険の専門家は消費者はそれでもフォローアップとして保険屋に電話してプランを確認し、どの医療サービスが完全にカバーされ、どの医療サービスを支払う必要性があるか、学ぶべきだと言っている)

結局のところアメリカの健康保険は民間会社のため儲けないといけないので、これらの対応に限界があるのがわかるかと思います。アメリカの医療保険制度、本当に面倒臭いです。
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