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日本は大学が生徒にお金を支給をする? [コロナウイルス]

今日朝一番の講義でもって春学期すべての授業を終了しました。ほっとした、という思いだけです。教室での対面授業時以上に準備に時間をかけ、使えるソフトウェアなども色々調べて出来うる範囲で一方的な授業にならないよう気をつけましたが、手ごたえはいまいちでした。生徒からのフィードバックに耳を傾けようかと思います。

日本のニュースを見てびっくりしました。大学がお金を出して生徒に補償しているからです。私立大学だからでしょうか?アメリカでは連邦議会でCoronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act という法案が3月末に通り、約140億ドルが高等教育機関に割り当てられました。ハーバードとか有名私立大学は辞退するようですが、うちみたいな普通の州立大学はもちろん申請するとのこと。もっとも有名どころの州立大学だって普通に申請するみたいなので、卑屈になる必要はありません。例えば以下のような大学です。

What Students Can Expect from the CARES Act(ピッツバーグ大学)
CARES Act FAQs(ワシントン大学)
Federal CARES Act FAQs(フロリダ大学)

受給される総額はわかりませんが半分は学生に配布する必要があり、Federal Pell Grantという奨学金をもらっている学生は$900、そうでない学生は$300を支給されるとのことです。残ったお金は大学がリモート授業への設備対応や学生への便宜などを図るために使うようです。

このような経緯から日本では大学が学生にお金を払うことに違和感を感じました。細かい点はあるにせよ、生徒から多めにお金をとっている印象を与えてしまいます。また議論になっていないといいのですが、オンラインでは教室での授業の質より落ちることを認めることにならないかを危惧します。生徒も大変でしょうけど、教員だって大学側から負担を強いられるんですよね、恐らく日米問わず。

ない袖は振れない、といいますが、現状はそれでも振って何等かの補償すべきと思いますが、日本政府は今後どう対応するんでしょうか、気になるところです。
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ペンス副大統領 vs. CNN、仁義なき戦い [コロナウイルス]

1つ目、昨日ペンス副大統領が訪問したのはミネソタ州ロチェスターにあるメイヨー・クリニックでした。メイヨー・クリニックと聞いてニューヨークの病院と早とちりしていました。お詫びして訂正します。

ちなみに相変わらずCNNはこの話に噛みついています。

Pence unmasked shows his obedience to Trump

この方もこんな人、ともう分かっているのでどうでもいいのですが、一つ気になった段落がこれです。

The Mayo Clinic tweeted that Pence and his team were told ahead of time that the clinic required visitors to wear a medical mask to protect others from the slim, but real, chance that they carried the Covid-19 virus (the clinic's tweet was subsequently deleted).
(ペンスと彼のチームは、可能性は多くないもののCovid-19ウイルスを運びうる機会から他の人を守るため前もって訪問の際医療用マスクを着用するよう求められていた、と病院はツイートしていた。その後、クリニックのツイートは削除された。)

自ら削除を決めたのか、それとも圧力があったのか、興味深い所です。ちなみに日本語での記事でも紹介されています。

ペンス副大統領、訪問先の病院でマスク着用せず

この動画の中では消されたツイートが紹介されています。ここまでやると執念ですね。英語ですがよかったらリンクをたどって見てみてください。

ちなみにここラフィエットやその市が属する郡では街でマスクを配っている様子が紹介されています。

Group handing out masks, sanitizers to needy
City of Opelousas distributes masks to public

こういう時は田舎に住んでいてよかったと思います。
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地元スーパーでマスク着用が義務付け [コロナウイルス]

今日はマスクを着用せずにニューヨーク(4/29訂正)ミネソタ州にある病院を訪れては人々と交流したペンス副大統領の記事がCNNで上がっていました。

Pence tours clinic without a mask despite policy

自分はコロナウイルスに感染していないから大丈夫だと思ってしなかった、と弁解していますが、ニューヨークでは公の場に出る時、マスク着用が義務付けられています。(4/29訂正)事前にクリニックからマスクをつけるように言われていたそうです。普通に考えれば脇が甘い、と思いますが、まぁ支持者からは喜ばれるかも知れません。

さて私がいる郡(パリッシュ)では今日また3人ほど新規患者を出してしまいましたが、それでも以前一桁が続いています。地元のスーパーに買い出しに行ったら、マスクをしないと入れてもらえなくなっていました。

マスクをしない方は入店ご遠慮下さい
FM1.jpg

私はマスクを持っていたので入店しましたが、中に入って驚きました。マスクを配布していました。どこで入手したのでしょう?

マスクを持っていない方は1つお取り下さい
FM2.jpg

上の病院もペンスさんにこうしてあげればよかったのでは。元中西部の知事の方が(今はDCに在住であれ)ニューヨーク(4/29訂正)ミネソタ州のメーヨークリニックに来てマスク着用義務を知らなかったのかも知れませんから。

さらに対面でお肉を買う所もテープが張られていて、順番に距離を保って買うことになっていました。

アメリカ人がやる仕事にしてはきっちり
FM3.jpg

ここまでしっかりしていると、逆に安心して買い物が出来ます。ここはオーガニックがメインで高めですが、こういう状況ではここで買い物する方が安全かと思いました。
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外出禁止は5月15日まで延長されました@ルイジアナ [コロナウイルス]

結論から言うと、ルイジアナ州知事はプレッシャーに負けず賢明な判断をしたと思います。

Governor: Stay-at-Home order to be extended to May 15
(知事:自宅待機令は5月15日まで延長)

自分が望んでいた声明ではないが、政府が制定した基準を満たしていないため自宅待機令を延長することにした、と述べています。きわめて全うな話かな、と思います。別に彼が民主党所属とか、T大統領が好き嫌いではなくデータを鑑みてまだ早い、と判断してくれたことに感謝します。それが普通なんですけどね。

以下が今日現在のルイジアナのデータです。毎日の感染者でみれば完全に山は越えているように見えますが、亡くなっている方の数が予想より大きい方に振れていることを懸念しているようです。

April27.jpg

他に良かったこと。ここラフィエット郡は感染者が観測されて以来、初めて新規感染者が0でした。実はここ1週間以上一桁が続いていましたが、ようやく0を記録しました。気分的に気持ちのいいものです。

2つ目、今週の金曜日にはルイジアナからテキサスへの陸路による閉鎖が解かれるようです。

Travel restrictions between Texas-Louisiana will be lifted Friday

これで州としての孤立はなくなったのですが、テキサスは感染者数がピークで高止まりしているのに今週末からビジネスなどを開けてしまうので、逆に危なっかしいです。しばらく行かないと思います。

テキサスの状況(4/27)
April27_tx.jpg
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外出禁止をいつから緩和するか? - ルイジアナの場合 [コロナウイルス]

最近ニュースを見すぎないようにしていましたが、気づくと4月末も見えてきました。もともとの外出禁止令は4月30日までだったので、どうなるのかなぁと思っていたらすでに知事が先週会見していた模様です。

As Louisiana leaders look for May 1 opening, White House’s model suggests weeks later

簡潔に言うと、政治家的には早くて来週からでも何らかの解除をしたいが、ホワイトハウスが用いる研究者のモデルを参照すると開けるのは数週間早い、ということです。このモデルですが4/22にアップデートがされたらしく、そこには推奨される外出禁止の緩和日が現状のデータから算出されていました。ルイジアナだと5月22日以降、となっています。

Current social distancing assumed until infections minimized and containment implemented

このモデルでいうとジョージア州は6月22日以降が適切、というのにすでに知事が街を開くよう指示、州内の市長が難色を示しているのは知られていることかと思います。ルイジアナの知事は慎重に検討しているものの、5月1日から現状よりは緩和された施策を考えているようです。知事はまた州全体でどう緩和するか考えているみたいですが、他の記事によると地方の市や郡から「個別に開けろ」とプレッシャーを受けてもいるようです。

私見ですが、すべての学校が2019-2020年度終わりまでオンラインでやることを決定していますし、政府のモデルが5月22日、と言っているのだからその日でいいのでは?と思います。経済が大事なのはわかりますが、ルイジアナの場合政府からもらった一人あたり1,200ドルは1か月生きるのに十分なお金のはずです。小さい郡や市ごとに開けるのなら他の所から人の出入りがないことが前提ですが、それは無理でしょうから棄却すべきです。折角ここまで我慢したんだから、もう少し我慢しましょうよ?というのが私の希望です。

このような判断を来週、知事から話されることを期待します。

追伸:4月22日現在、政府が使うモデルから算出された各州の想定解禁日
Opendate-as of April22.jpg
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うちの大学から3人もNFLでドラフトされた! [日常]

たまにはコロナウイルスの話から離れることにします。

今週NFLのドラフトがありました。私が勤務する大学はDevision 1に所属するも下位のカンファレンスのため選手がドラフトされることはあまりないのですが、今年は3人も引っかかってびっくりしています。

Dotson, Calais Selected in 2020 NFL Draft

Robert Hunt、OL、2巡39位 from マイアミ・ドルフィンズ
Kevin Dotson、OL、4巡145位 from ピッツバーグ・スティーラーズ
Raymond Calais、RB、7巡245位 from タンパベイ・バッカニアーズ

OLで2巡や4巡で指名されるということは、かなりの確率でロースターに残り試合に出るでしょう。7巡で指名のRBだと出番は限られるかと思いますが、まずはロースターに残り、スペシャルチームや限られた状況で自分をアピールできれば生き残れる道は開かれるかも知れません。ただもらえるお金の面でいえば、フリーエージェント(FA)で入団するより大きい契約金をもらえるので、選手の家族は喜んだことでしょう。

この辺りで久しぶりに明るい話題でした。こういう大きくない大学からプロに行く選手を輩出できると、今後のリクルーティングにもいい影響を与えるでしょう。
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ウイルス対策のためにエコノミークラスはこう変わる!? [コロナウイルス]

ここの所自宅でのインターネット特に上りが異常に遅くなり、図をアップロードするとブログ編集画面がフリーズする事態が起きています。下りもかなり不安定です。ルータをリブートしたり、LANケーブルを交換してみても効果がありません。恐らくトラフィックが上がって契約しているケーブル・インターネット会社のリソースが逼迫しているんだと考えます。文句のメールを入れましたが、解決してくれるでしょうか?

従って今日はテキストだけのアップにします。新型コロナウイルスの騒動後の対策として、飛行機をデザインする会社は座席に関して色々と対策を練っているようです。

What economy class could look like after virus

While some airlines are discussing the removal of middle seats to maintain social distancing, one airplane interiors company has come up with concepts for adapting economy class cabins.

(一部の航空会社は、社会的距離を維持するために真ん中の席の削除を検討しているが、飛行機のインテリア会社の1つはエコノミークラスの客室を適応させるための(新しい)コンセプトを考え出している。)

写真をアップ出来ないのでリンク先を追って欲しいのですが、真ん中の席の向きを反対に向ける案を提案しています。なるほどこれなら航空会社としては席を失うことなく、顧客は隣と直接顔を向ける必要がなくなります。

もしくはエコノミークラスでも各席にガラス製のシールドを取り付け、最大限隣通し飛沫が飛ばないような案も提案しています。

glassafe.jpg
(なぜかこれだけアップ出来ました)

ただこちらは囲いを作るだけで現在必要とされている社会的距離を保てないことが問題のようです。

これらのデザインが採用された場合、8-11か月ぐらいで投入出来るそうですが、飛行機会社からの引き合い、公の機関からのデザインの承認などいくつかのハードルがあるようです。

安心して飛行機に乗れるには時間がかかりそうですね。
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4/23/20、コストコでのガソリンの値段 [コロナウイルス]

恐らく1週間ぶりぐらいに買い出しに出かけました。散歩や軽い運動以外は外にも出ないで家で仕事しています。もっぱらの不満というか希望は、大きい家に住んで自分のオフィススペースがあれば、リモートワークでも最近いいかな、と思い始めています。

車で外に出たのですが、気のせいか以前より少しトラフィックが上がっている気がしました。ルイジアナ、とくにここラフィエット市は感染者の毎日の増加が一桁が続いており、人々が少し気を緩めている気がしてなりません。

コストコに行きましたが、ここでは相変わらず入場制限はありません。普通に会員証を見せて、必要なものを買えます。アルコールのワイプや消毒用のスプレーはないですが、それ以外は普通に品物が戻っていると思います。ただレジでは混雑して社会的距離が取れなくならないよう、店員が立って客を振り分けていました。

その帰りに給油したのですが、以下の値段でした。

1ガロン1.399ドル
Gas_April23.jpg

原油の値段があれだけ下がってこの値段ですから、以前のような1ドルを切るようなことはもうないんですね。20年前より人件費が30%とか上がったんでしょうかね。

事故も起こしたくないので、ゆっくりと家までの車を走らせました。外は暗くなっていましたが、澄んでいて夜空がきれいな群青色でした。鳥も気のせいか良く鳴いている気がします。
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新型コロナウイルスについて学習、その4、ウイルス複製 [コロナウイルス]

昨日はウイルスが細胞に侵入しRNAを放出する所まで書きました。今日はその続きです。

4. ウイルスによる細胞のハイジャック
virus4-1.jpg

The infected cell reads the RNA and begins making proteins that will keep the immune system at bay and help assemble new copies of the virus.

(感染を許した細胞はRNAを読み取る。その結果、免疫系を寄せ付けずにウイルスの新しいコピーを組み立てるのに役立つタンパク質の作成を開始する。)

Antibiotics kill bacteria and do not work against viruses. But researchers are testing antiviral drugs that might disrupt viral proteins and stop the infection.

(抗生物質は細菌を殺すものの、ウイルスには効かない。しかし研究者たちはウイルスタンパク質を破壊して感染を止める可能性のある抗ウイルス薬をテストしている。)

何日か前にレムデシビルについて考察しましたが、その薬はRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤でした。感染そのものを止める抗ウイルス薬があるのなら、ウイルスの増殖を防ごうとするとレムデシビルと仕組みが違うのかな、と想像します。調べてみないとわかりませんが、ただの言葉の綾かも知れません。

レムデシビルで少し書きましたが、ウイルスRNAはRNA依存性RNAポリマラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase)という酵素により、そのRNAの塩基配列を読み取ることで補完的なRNAを複製・合成します。通常RdRpと省略して書くようです。人間の身体にある正常細胞はDNAにより遺伝子情報が保存されるので(私の理解では)DNA依存性RNAポリマラーゼによって遺伝子情報を複製・合成し、RdRpは必要ないのでそれを発現する遺伝子はもっていないはずです。従ってウイルス自身がこの遺伝子情報を持ち、正常細胞をハイジャック後自分で発現させ、それを使ってRNAの複製を試みていると想像しました。

5.ウイルスのたんぱく質を合成、組み立て

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As the infection progresses, the machinery of the cell begins to churn out new spikes and other proteins that will form more copies of the coronavirus.

(感染が進むにつれて、正常細胞の機構が新しいスパイクや他のたんぱく質を作り出し始め、コロナウイルスのコピーをさらに形成する。)

ウイルスRNAは新しいウイルスを構成するたんぱく質も合成します。スパイクたんぱく質、エンベロープ、膜は一通り翻訳された後、上の図でいう迷路のような所(小胞体, ER)に輸送されます。ここではさらに正しい立体の構造(構造が異常なたんぱく質は構成されるアミノ酸は同じでも正しく機能しません)を形成することになります。

virus4-3.jpg

New copies of the virus are assembled and carried to the outer edges of the cell.

(ウイルスの新しいコピーが組み立てられ、細胞の外縁に運ばれる。)

正しい構造を持ったタンパク質は分泌経路に沿って小胞体からゴルジ体に移動します。ここでは細胞外に分泌されるために必要な化学的な飾りつけが行われ、振り分けが行われます。私の短絡的な理解では、宅配便の配収所で依頼された荷物(ウイルス)にタグをつけ(化学的修飾)、宅配先のセンターに振り分ける、といったイメージです。言うまでもなく、これは正常細胞の正常な機能の一部を利用して行われていると考えています。

6. 感染の拡大

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Each infected cell can release millions of copies of the virus before the cell finally breaks down and dies. The viruses may infect nearby cells, or end up in droplets that escape the lungs.

(感染した各細胞は最終的に細胞が故障して死ぬ前に、何百万ものウイルスのコピーを放出する可能性がある。ウイルスは近くの細胞に感染するか、肺から脱出する水滴になってしまうかも知れない。)

ゴルジ体から分泌されたウイルスは小胞に乗って細胞膜に輸送され、今度はエキソサイトーシスにより細胞外に放出されるとのことです。

MERSの電子顕微鏡による画像ですが、ウイルス(黄色)が分泌されるイメージがわくかと思います。BBCの記事より。

Mers: The new coronavirus explained

virus5.jpg

これでざっくりとながら、新型コロナウイルスの感染、複製、分泌経路がなんとなく掴めたかな、と思います。現実に直面しているウイルス理解の助けになれば幸いです。次回があるかどうかは、まだ決めかねています。

参考文献(どちらも無料で閲覧出来ます)
Coronaviruses: An Overview of Their Replication and Pathogenesis
COVID-19 infection: Origin, transmission, and characteristics of human coronaviruses
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新型コロナウイルスについて学習、その3、ウイルスの感染 [コロナウイルス]

先週は大学が春休みだったので、今週に入って授業をZoomにて再開しました。昨晩3時間弱、今日は75分、こちらも生徒も雰囲気的には慣れてきた感じです。今学期も残り2週間となり、途中どうなることかと思いましたがどうにか今学期を終えられそうです。

さて新型コロナウイルスの学びの続き、あくまでも私の理解の備忘録です。前回まではウイルスのスパイク部分がACE受容体を認識して結合するため、その受容体があるところで侵入(=感染)が起きうることを書きました。この話も含めてNew York Timesに絵付きで分かりやすく書いてありました。以下の図はそこから借りています。

How Coronavirus Hijacks Your Cells

1. 新型コロナウイルスの構造(前回説明済み)

virus1.jpg

石鹸の手洗いが有効なのは以下の通り、ウイルスを守る脂質の膜(エンベロープ)と石鹸は同質で溶けるので、ウイルスを不活性化出来ます。

The virus is enveloped in a bubble of oily lipid molecules, which falls apart on contact with soap.

(ウイルスは油性脂質分子の泡に包まれており、石鹸と接触すると分解する)。

2.脆弱な細胞への侵入(前回説明済み)

virus2.jpg

前回書いた通り体内に入った後、スパイクたんぱく質がACE2受容体を認識して細胞内へ侵入を図ります。

The virus enters the body through the nose, mouth or eyes, then attaches to cells in the airway that produce a protein called ACE2.

(ウイルスは鼻、口、目から体内に入り、ACE2と呼ばれるタンパク質を産生する気道の細胞に付着する。)

3. 体内でウイルスのRNAを放出

virus3-1.jpg

The virus infects the cell by fusing its oily membrane with the membrane of the cell. Once inside, the coronavirus releases a snippet of genetic material called RNA.

(ウイルスはその油性膜と細胞膜を融合させることによって細胞に感染する。内部に入ると新型コロナウイルスはRNAと呼ばれる遺伝物質の断片を放出する)

ここで一つ疑問、どんなきっかけでRNAを内部で放出するのでしょうか?分子細胞生物学の教科書を参照すると、この過程がもう少しわかりました。

virus3-3.jpg

Other enveloped viruses, such as influenza virus, first bind to cell-surface receptors, triggering receptor-mediated endocytosis. When the endosome acidifies, the virus envelope fuses with the endosomal membrane, releasing the nucleocapsid (blue) into the cytosol.

(インフルエンザウイルスなどの他のエンベロープウイルスは、最初に細胞表面の受容体に結合し、受容体を介したエンドサイトーシスを引き起こす。エンドソーム酸性化すると、ウイルスのエンベロープがエンドソームの膜と融合して、ヌクレオカプシド内のウイルスRNAが細胞質に放出される。)

何故このような過程を経るかと言うと、RNAは極性を持つので疎水性の細胞膜を通り抜けられないからです。平たく言えば水と油ではじいてしまうイメージです。エンドソームの酸性化は図のように水素イオン(H+)を内側に入れる入り口(プロトンチャンネル)があり、たくさん水素イオンがウイルスに入ることでウイルス表面のたんぱく質構造に変化が起き、ウイルス遺伝子が放出される、と書いてありました。特に上の図を見るとどうやってウイルスの膜とエンドソームの膜が融合するかわかります。なるほど。

Cell Biology of Infection(Pubmed内でこの教科書を無料で参照できます、素晴らしい)

長くなったので、続きは明日のその4で。
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