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ロックダウン4週間後のコロナウイルス感染者数、死亡者数の推移@ルイジアナ [コロナウイルス]

ここルイジアナは3月23日に外出禁止令が出されたので、今日でちょうど5週目に突入しました。一時期は人口比で感染率がニューヨークに継いで高く、死亡率では全米1の都市があるルイジアナ州ですが、知名度のなさ、日本人の少なさで特に日本語の報道はほとんどなかったように感じました。まぁアメリカと言えばカルフォルニアのロスやサンフランシスコ、東はニューヨークやボストン、はたまた観光客が多いハワイに焦点があてられるのは普通ですから仕方のないことです。ただそれらの都市とここの状況が必ずしも同じではないことを頭の片隅に置いてもらえれば、と思います。

ルイジアナだけで見ると、感染者そのものは落ち着いてきているように思います。ただピーク時の感染者数が絶対的に多くそれに比べれば減ったというもので、毎日の感染者数は他の州と比べて決して少なくないようです。

感染者数ー外出禁止令から4週間後(4/20)
LA-Apr21.jpg

死亡者はこの州特有の基礎疾患を持っている患者が多いせいか、いまだに減る気配はありません。一日特に高かった日があり、7日平均線もピークをつけていません。

死者数ー外出禁止令から4週間後(4/20)
LA-Apr21-death.jpg

これらの状況を鑑みて、ルイジアナ州知事は経済を開けるのには「まだ早い」と先週名言していました。経済を何が何でも再開しろ、というプレッシャーの中で科学的なデータから賢明な判断をしているなと個人的には思います。

ちなみに私が住むラフィエット・パリッシュはというと、ネットで探しても数字しかわからず推移が見えないので自分でグラフを作りました。

ラフィエット郡の新規コロナウイルス感染者数推移
Lafayette_infected_apirl20.jpg

途中ルイジアナ公衆衛生局の統計ミスがあり、データがなかったり急に上がった日が1日あるのをご承知下さい。ルイジアナ・パリッシュ(郡)は人口で22万人程度ですが、報告される毎日の患者数はこの程度です。最近1週間だと多くても20人弱、少ない日は10人を割っています。総数では感染者が423人、死亡者数が17人となっています。この状態でもロックダウンを少なくとも4/30までは続けていくようです。アメリカの他の都市もしくは日本でこれを参照されている方がどう解釈するか、ご意見を聞いてみたいな、と思っています。
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抗ウイルス薬「レムデシビル」に関する記事、私見その2 [コロナウイルス]

完全に備忘録ですが、レムデシビルに関する他の日本語記事です。

コロナ治験薬レムデシビル、サル実験で効果 米研究

元記事をAFPやSTATでさっと探したのですが、見つかりませんでした。ただ色々な所で英語でも同じ文章が記事になっているので配布されたのでしょう。例えば、

Experimental virus drug remdesivir effective in monkeys : study (Yahoo)
Experimental virus drug remdesivir effective in monkeys: study (インドネシアの新聞?)

日本語記事の一番の問題は「新型コロナウイルス感染症に対して効果があることが証明された」というくだりです。英語の記事での2段落目が欠如してしまっていて、まるで明日にでもこの薬が使えそう、という間違った印象を読者に伝えています。

まずはレムデシビルがどういう薬か考えてみます。抗ウイルス剤で、RNA-Dependent RNA Polymerase(RNA依存性RNAポリメラーゼ)を阻害する薬のようです。

Structural Basis for the Inhibition of the RNA-Dependent RNA Polymerase from SARS-CoV-2 by Remdesivir

新型コロナウイルスは一本鎖プラス鎖RNAウイルスなので、侵入先のリボソームでゲノム自体がmRNAとして翻訳され、ウイルスたんぱく質を作ります。

新型コロナウイルスの侵入、複製の仕方(3/29のブログにも少し説明してあります)

20200314_FBC902.png

また以下の図よりこのウイルスのゲノムから作られるたんぱく質は2つの大きなたんぱく質(Polyprotein)に、4つのウイルスを構成するたんぱく質(スパイク、エンベロープ、ヌクレオカプシド、膜)、そして8つのアクセサリーたんぱく質であることがわかります。

SARS-CoV-2の遺伝子構造(エコノミストのから抜粋)
Understanding SARS-CoV-2 and the drugs that might lessen its power

ripped_genes.jpg

特に左側にある二つの大きなたんぱく質(Polyprotein 1と2、replicaseの部分)がプロセスを経て最終的にRNA依存性RNAポリメラーゼとなり、ウイルスが増殖するときに含まれるRNAを複製する(replicate)のに必要なたんぱく質(=酵素)となります。レムデシビルはこのたんぱく質の機能を阻害するはずなので、私は結果としてウイルス増殖が迎えられるのだろう、と理解しました。

さてこの知識を前提に、元の記事を検証することにします。元の論文を探ると、未査読のレポジトリーBioRxivに行き当たりました。

Clinical benefit of remdesivir in rhesus macaques infected with SARS-CoV-2

まず実験で使われたサルはrhesus macaquesですが、以前ここのブログでも記した通りACE受容体のたんぱく質構造がヒトと大きく違うため、新型コロナウイルスを感染させても軽度の症状しか出ないことが報告されています。つまりサルでの実験ではもともと感染する率がヒトの場合と比べて低いだろうから、抑制しないといけないRNA依存性RNAポリメラーゼの量も少ない可能性があるのではと想像しました。

2つ目、要旨には書いてありませんがよく読むと方法論でこう書いてあります。

Due to the acute nature of the SARS-CoV-2 model in rhesus macaques, therapeutic treatment was initiated at 12 hours after inoculation with SARS-CoV-2.

(アカゲザルを使うSARS-CoV-2実験は急性モデルのため、SARS-CoV-2を接種してから12時間後に治療が開始された。)

ヒトの場合で感染してから12時間後に治療を受ける方はほぼ皆無ですよね。現在治療を施されている患者さんは発症して重度以上の方ですし、この実験のサルは肺炎など呼吸系に異常がない時点での結果ですから、昨日紹介した臨床データとも残念ながらあまり関連性がないこともわかります。

まとめると、日本語の記事で書いてある「抗ウイルス薬レムデシビルが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して効果があることが証明された」は誇張しすぎと感じます。上の論文からはレムデシビルを初期に処方した場合SARS-CoV-2による肺への感染を抑制する可能性を示すものの、そのウイルスによって発症し進行したCOVID-19の症状を抑える効果があるかどうかはわからない、と解釈するのが妥当です。

そういえばアビガンも抗ウイルス薬と思いますが、実験状況はどうなんでしょうか?興味がわいてきました。

P.S. COVID-19の治験に関し英語の記事を日本語訳するのなら、以下の記事のが公平で適切かと思います。参考まで。

Gilead’s Coronavirus Treatment Has Investors Excited, but the Latest Study Looks Inconclusive
Here’s What We Know about the Most Touted Drugs Tested for COVID-19
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抗ウイルス薬「レムデシビル」に関する記事、私見その1 [コロナウイルス]

ここの所、日本語でGilead Sciences(ギリアド・サイエンス?)社が開発した抗ウイルス薬「remdesivir(レムデシビル)」がコロナウイルス患者に効いた、という記事が目につきました。

新型コロナ感染者が急回復=米社の抗ウイルス薬

本当なら喜ばしいことですが、職業柄どこまで本当だろう?と勘繰ってしまいます。結論から話をすると確かに期待できるデータはあるもののまだ結論を出すには早すぎる内容で、日本語記事は意図的に読者をミスリーディングしているように感じました。

時事通信社が拾ってきたネタは以下のサイトが元です。

Early peek at data on Gilead coronavirus drug suggests patients are responding to treatment

そもそもこのデータはシカゴ大学から「漏れた」データと指摘されています。正直に上のサイトでも入手した、と書いてあります。

“The best news is that most of our patients have already been discharged, which is great. We’ve only had two patients perish,” said Kathleen Mullane, the University of Chicago infectious disease specialist overseeing the remdesivir studies for the hospital.

(一番いいニュースは、素晴らしいことにほとんどの患者がすでに退院していることです。2名の患者しか亡くなりませんでした、とレムデシビルの治験を監督するシカゴ大学病院の感染症スペシャリストKathleen Mullaneは言いました。)

Her comments were made this week during a video discussion about the trial results with other University of Chicago faculty members. The discussion was recorded and STAT obtained a copy of the video.

(彼女の発言は今週シカゴ大学の他の教職員との試験結果に関するビデオディスカッション中に出ました。その議論は保存され、STATはその動画のコピーを入手しました。)

誰が流したんでしょうね。そもそも正式に入手したのでしょうか?ただそれでもここのサイトでは「これらの結果はremdesivirの有効性があったスナップショットに過ぎず、同時に行われている他の場所での結果はわかりようがない。またほかの臨床データも出ていない」と書いてあります。また動画に出て来たMullaneさんの以下のようなコメントも紹介しています。

Mullane, while encouraged by the University of Chicago data, made clear her own hesitancy about drawing too many conclusions.

(シカゴ大学のデータには励まされるものの、Mullaneは多くの結論を出すことについては躊躇していることを明らかにした。)

さらにニュースサイトSTATはMullaneさんや大学側にコンタクトを取り、上の発言が彼女のものであることを確認させたものの、STATにコメントを出すことは拒否され、シカゴ大学側からは以下のような声明が発表されたと正直に書いています。

In a statement, the University of Chicago Medicine said “drawing any conclusions at this point is premature and scientifically unsound.”

(シカゴ大学医学部は声明のなかで、「現時点で結論を出すのは時期尚早であり、科学的にも健全ではない」と述べている)

これを普通に読めばシカゴ大学はデータが漏れたこと、そして記事になったことが不本意であるように感じられます。さらに信頼性が高いとは思えない、このようなネットニュースの記事を聞こえがいい所だけ記事にして出す、というのは時事通信の姿勢としてどうかと思うのですが、世の中普通のことなんでしょうかね。私には理解しかねます。

その2に続きます。

P.S. ちなみにですが、レムデシビルはもともとエボラ熱ウイルスに対して開発された薬ですが、MERSには有効、という論文はすでに出ています。備忘録で載せておきます。

The antiviral compound remdesivir potently inhibits RNA-dependent RNA polymerase from Middle East respiratory syndrome coronavirus
Prophylactic and therapeutic remdesivir (GS-5734) treatment in the rhesus macaque model of MERS-CoV infection

P.S. 4/19追加、Timeの記事をたまたま見かけたのですが、シカゴ大学医学部の広報は未発表のデータが許可なく流出されたと明言しています。この部分はSTAT社が意図的に抜いて記事にしたと考えられても文句は言えません。

More Encouraging Signs for Remdesivir as COVID-19 Treatment

“Partial data from an ongoing clinical trial is by definition incomplete and should never be used to draw conclusions about the safety or efficacy of a potential treatment that is under investigation. In this case, information from an internal forum for research colleagues concerning work in progress was released without authorization. Drawing any conclusions at this point is premature and scientifically unsound.”

(「進行中の臨床試験からの部分的なデータは定義上不完全であり、調査中の潜在的な治療の安全性または有効性について結論を出すために決して使用されるべきではない。今回、内部の研究者同士のフォーラムから進行中の研究に関する情報が許可なしに公開された。この時点で結論を出すことは時期尚早であり、科学的にも健全ではない。」)
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スペースX社の「クルードラゴン」が有人でISSへ [日常]

コロナウイルス以外の話題があったときは、そちらを優先するようにします。気が滅入りますから。

アメリカが久しぶりに有人で国際宇宙ステーション(ISS)に人を送るようです。

NASA to launch astronauts to space station from US soil for the first time in a decade

昨年12月、ボーイング社の飛行カプセル「スターライナー」は無人でISSに船を飛ばす予定だったものの失敗した話を紹介しました。

ボーイングのスターライナー、軌道に乗れず帰還へ(動画)

ただもう一つの民間宇宙開発委託先であるスペースX社はすでに無人飛行を成功させているので、こちらが先にISSに人を連れていくことになるようです。宇宙船の名前は「Crew Dragon(クルー・ドラゴン」)。

予定では5月27日、2人の宇宙飛行士を乗せてフロリダのケネディ宇宙センターから発射されるとのこと。アメリカではスペースシャトルが最後に飛行を行ったのは2011年で9年ぶり、スペースX社としては創立して18年で初の有人飛行に至りました。その宇宙飛行士はスペースシャトルに乗って宇宙に滞在した経験もあるとのことですから、ベテランですね。

無事ISSに到着出来れば最大で110日滞在して任務を遂行するとのこと。またNASAは開発にお金を払ったものの、開発そのものは民間会社で行われたので宇宙船の所有者は民間企業であり、NASAは宇宙船を飛ばすにあたり「顧客」という立場だそうです。一方で民間会社が故、将来的には宇宙飛行士とともに観光客を乗せる計画もあるようです。

本来であれば2017年まで有人で飛ばす予定でしたから、3年程度の遅れです。今回のフライトで宇宙開発においてアメリカが威信を回復できるでしょうか?

今年1月に行われた、有事を想定した脱出実験の様子(成功)

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働く権利と感染を拡大して人に迷惑をかける権利の主張が出て来た [コロナウイルス]

今日はやっぱりこういう人たち、出てきたな、という記事の紹介です。以前にもアメリカに住む多くの人は我慢が出来ない人たちだから、こういう災いには非常に弱いと書きました。基本自分勝手な人たちですし、人種や背景、文化がそれぞれ違うため戦争以外ではまとまりづらいお国柄ですから、不思議はありません。

The social-distancing deniers have arrived
(ソーシャル・ディスタンスを否定する人が出て来た)

外出禁止令が出て4週目となりストレスが溜まる、苦しくなるのはわかりますが、こういった形で抗議してどんなメリットがあるかは理解出来ません。某大統領ですら経済を再開したくても、現状を把握し我慢している最中です。ミシガン州のランシングという所で起きたのですが、これを見て知事が「ただまた感染者が増える」と嘆いています。

ただこれを煽っているのが政治家なんですよね。CNNの記事でも書いていますが、例えばテキサス上院議員のテッド・クルーズ。


(私は子供とビーチに行ってT-ボールをし、ボードでパドルして遊ぶつもり。イースターの日曜日には礼拝行ってお祈りするよ。以下略)

他にもFoxニュースのホストであるローラ・イングラハムとかも経済を再開するよう、促しています。

Some in right-wing media egg on protests against stay-at-home orders

CNNから見るとFoxニュースは政府寄りなので「右翼ニュース局」と書いていますが、これは論旨からずれるので賢くないです。一方で記事の中で女性が言う「"Time to get your freedom back,"(自由を取り戻せ)」というのも的外れ。そもそもウイルスから国民を守る公共利益のためにこのような命令を下しているのに、自由が奪われている、という主張は本質的ではないです。逆に言えば「ウイルスを拡散して他人の健康を奪う、最悪死に至らしめる権利」を主張しかねているわけですから、理屈は通りません。むしろ失業して困っている状態に対してもっと政府に充実した生活保障を訴えるべきではないでしょうかね、本来なら。

ともあれ状況が厳しくなってきて足並みが揃わなくなって来ました。こうなると本質的に全く関係のない人種の違いなどになぜか不満の矛先が行き、結果日本では想像が出来ないくらい治安が悪化します。ハリケーン・カトリーナで被災したときの実際の経験から得た教訓です。今後益々気をつけないといけないな、と思います。
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新型コロナウイルス研究に適した動物モデルの確立状況 [コロナウイルス]

今有名科学雑誌CNSの一つ「サイエンス」は、これに関するリサーチやニュースを無料で公開してくれているのを今日知りました。

Coronavirus: Research, Commentary, and News

その中で一つの記事が目に入りました。

Mice, hamsters, ferrets, monkeys. Which lab animals can help defeat the new coronavirus?

動物愛護団体が何を言おうと、パンデミックに流行しているコロナウイルスに対し治療方法及びワクチン開発のために動物の治験モデルを確立することは非常に重要です。読み解いてみました。

結論から言うとSARSを起こすウイルス同様、ハムスターが新型ウイルスに感染すると人間に近い症状が出るようです。備忘録になりますが、査読がすんだ以下の論文に報告されていました。

Simulation of the clinical and pathological manifestations of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in golden Syrian hamster model: implications for disease pathogenesis and transmissibility

When physician scientist Jasper Fuk-Woo Chan of the University of Hong Kong (HKU) and co-workers recently infected eight hamsters, the animals lost weight, became lethargic, and developed ruffled fur, a hunched posture, and rapid breathing. High levels of SARS-CoV-2 were found in the hamsters’ lungs and intestines, tissues studded with the virus’ target, a protein receptor called angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2).

(香港大学の医師・科学者であるJasper Fuk-Woo Chanらが最近8匹のハムスターを新型ウイルスに感染させた場合、その動物は体重減少や無気力、波状毛皮、丸まった姿勢、そして頻呼吸を発症させた。高レベルのSARS-CoV-2が、ウイルスの標的であるアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)と呼ばれるたんぱく質受容体とともにハムスターの肺や腸の組織で見つかった)

同様な結果がウイルス学者の河岡先生の研究室でも紹介されていましたね(4月12日放送の情熱大陸を参照)。

1つ興味深いことが書いてありました。

One monkey study has already shown that animals that clear a SARS-CoV-2 infection can resist reinfection for at least 1 month.

(あるサルの研究では、SARS-CoV-2感染をクリアした動物が少なくとも1か月は再感染に抵抗できることが示されていた。)

これは感染で出来た抗体がサルでは少なくとも1か月は有効である可能性があることを示唆しています。ただ問題なのはサルの場合、コロナウイルスに感染しても症状は穏やかのため、必ずしも人間も同様であるかはわかりかねるようです。この原因はACE受容体のたんぱく質構造にあるようです。

In the mouse, 11 of 29 amino acids of this critical domain differed from the human version. (Rats had 13 differences, but hamsters only had four.)

(マウスでは重要なドメインにある29のアミノ酸のうち11のアミノ酸構造がヒトのそれとは異なっていた。ラットでは13の違いがあるが、ハムスターには4つしかない。)

普通に考えてヒトの受容体の構造に近ければ、新型ウイルスがそこにくっついて感染する割合も同様になりそうですから、納得です。

アデノウイルスを利用してマウスでもヒトのACE受容体を発現するようにしたものがアイオワ大学で開発されているようですが、ヒトの症状を出しそうなマウスを作り出すには時間がいるようです。またJackson LabではCRISPR Cas9システムを用いて同様なマウスを作ろうとしたり、逆にノースカロライナ大学ではマウス本来のACE受容体によくくっつくよう、ウイルスの構造を変えたりする試みがなされているようです。他のグループではラットによる動物モデル開発も進んでいる、と紹介されていました。

他の動物だとフェレットが候補のようです。インフルエンザの研究ではヒト同様に感染するだけでなく、くしゃみをしてウイルスをまき散らすようです。ただ新型ウイルスに関しては体温上昇が認められるものの、その他の症状はなかったと報告されていました。

Infection and Rapid Transmission of SARS-CoV-2 in Ferrets

ただこの動物は口からウイルスを飛ばすので、飛沫感染やエアロゾルによる空気感染の可能性を探ることが出来たり、ヒトと同様年齢が高いフェレットで重症化の例が見られたりしているので、引き続き検討の余地があることが書かれていました。

最後にサルによる治験の有意性も描述されていました。くしゃみするだけでなく、ウイルス感染に対してワクチンによる免疫反応の変化を検証できるのもヒトに限りなく近いサルならではです。

新型ウイルスの治験モデルを決定する過程においていまだ基本的な作業を行っている段階ですが、着実に前に進んでいると感じました。こんな厳しい状況で研究を継続されている方々に対し、頭が上がりません。
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日本およびアメリカのコロナウイルス対策の現状を知る番組、サイト [コロナウイルス]

4/11に放送されたNHKスペシャルを拝見しました。コロナウイルスの取り組みに対し、海外との検査のやり方の違い、色々な批判などをネットで見ますし理解もします。しかしこの放送を観ればいかに専門の研究者が日本の実情に合わせてコロナウイルス抑制に向け取り組み、政府に提言してきたかわかります。逆に言えば少なくない政治家が訳もわからず対策に批判しているかもわかります。今日本で、本当に人との接触を最低7割、出来れば8割減らさないといけない根拠をこの番組から理解し(Tverで4/18まで閲覧可)、行動に移していただければ、と思います。

2つ目、在ヒューストン日本国総領事館からメールが来ました。新型コロナウイルス感染症に関してヒューストン在住の医師・研究者が現状をオンライン上で講義、解説をした時の録画ファイルおよび資料があるそうです。

ヒューストンの日本人医師の先生方に聞く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

場所はニューヨークでないですが、コロナウイルス感染で日本より先に行くアメリカの現状を日本・アメリカ在住関係なく知ることが出来ます。 公開は2週間限定(2020年4月14日(火)~4月28日(火))だそうなので、お早目に閲覧することをお勧めします。
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XFL(プロフットボール・リーグ)倒産 [コロナウイルス]

コロナウイルスを迎えこむため、色々な行事も中止や延期を余技なくされています。アメリカも例外ではなく、資金も含めて準備万全で始めたと思ったアメリカン・フットボールの新興リーグXFLも倒産に追い込まれました。

XFL Files for Bankruptcy

プロレス団体WWEのマクマホンがオーナーとなり、NFLのオフシーズンの時期にもう一つのプロリーグを興したのですが、試合内容や盛り上がりはさておき、今年は不運でした。まだファン層が固定していない段階では経営的にどうにもならなかったんでしょう。NFLなら最悪試合がなくても色々な話題を提供できるでしょうが、XFLはまだ歴史がなく無理です。

リーグの幹部を除いてすべて解雇のようです。NFLでプレーできないレベルの選手はどこに行ってしまうのでしょうか?Xリーグ?それともWWE?
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アメリカで豚肉が手に入りにくくなるかも [コロナウイルス]

まず今日は母の誕生日でした。お誕生日おめでとう。生きていれば80歳になったのかなと思います。

2つ目、今日は天気が荒れてルイジアナにもトルネードが発生し、被害がありました。幸いなことにここラフィエットは雨も含めて大したことなかったですが、北部のモンロー市は飛行場が被害を受けたようです。

Deadly tornadoes in the South cause 'catastrophic' damage

テキサス、アラバマ、ミシシッピ、アーカンソーなどで停電が起きている模様です。ただでさえ外に出られないのに、電気がないとなるとキツイです。一日も早い回復を祈ります。

3つ目、アメリカ国内では豚肉の供給が減りそうです。

One of the largest pork processing facilities in the US is closing until further notice
(豚肉加工で米国最大の施設の1つが、通知があるまで閉鎖される)

Smithfieldという会社がサウスダコタ州スーフォールズ市に持つ施設を閉鎖しないといけない状況であると伝えています。従業員が新型コロナウイルスに感染してしまったとのこと。この精肉所は全米の豚精肉の4~5%を生産しているので供給に影響が出る、と解説されていました。

また買い占めが起きてしまうんでしょうか?

サウスダコタ州どうなってるんだろう?とみると、包括的なStay-at-home命令はまだ出ていない一方で少しずつ感染者が増えている様子です。

SD_Apirl12.jpg

これは困ります。この州ではまだ感染が拡大しそうです。
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4/11現在、ルイジアナの感染・死亡者数推移 [コロナウイルス]

今日はねずみの管理のためニューイベリアまで行ってきました。家の近くのスターバックスはすべて閉まっているのですが、隣町ブルサード(Brussard)のドライブスルーは開いていることに気づきました。勇んで帰り道寄ったのですが、営業は6時までで間に合わず。残念ながら自分の誕生日祝いのフリードリンクは次回まで持ち越しとなりました。

一昨日、予想モデルに基づくとルイジアナの感染者数はピークに達しているはず、ということを書きました。今日は実データを確認したのですが、確かに少しずつですが減っているようです。出典はどちらもNew York Timesです。

Coronavirus in Louisiana: Map and Case Count

ルイジアナの新規感染者数、推移
April11_La_infection.jpg

線グラフは7日間の平均なので、たまたま1日だけ増えたり減ったりして傾向が変わらぬよう配慮がなされており、信頼が出来るかなと思います。

一方でウイルス感染による新規死亡者数はまだピークを迎えていないのかも知れません。

ルイジアナの新規死亡者数、推移
April11_La_mortality.jpg

英語での新聞やニュースを見ると、ヨーロッパでは外出禁止令を緩和したり、アメリカ国内でもピークを過ぎたデータが集まりつつあるので、いつStay at home命令を解除しようか、どうやって解除しようか、というトピックが目につき始めました。予想モデルを見ると、5月までこの命令を順守すればほとんど死亡者数は減るみたいなので、無理してもそこまでみんな頑張ったら?と思うんでしょうけど、どうなのでしょうか?経済援助のための送金がIRSより始められた、というニュースも見かけましたし。
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