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健康保険会社から来た医療費自己責任の確認書 [コロナウイルス]

有難いことに郵便や宅配便のサービスは継続されています。今日郵便物を取りにいったところ、保険会社から手紙が届いていました。私の場合、雇用者を通じての健康保険(Blue Cross and Blue Shield of Louisiana)ですが、以前の州で入っていたものと比べ月々の保険料が高いのに、カバーされる内容は芳しくないです。日本では想像がつかないと思いますが、アメリカでは健康保険入って保険料を同様に払い、同様な診療を受けても、保険会社の契約内容および裁量で治療費が大きく変わります。

それでその手紙ですが、コロナウイルスで大騒ぎの時期にこんな内容の手紙を送るか、というものでした。すでに事例があり、クレームがあったんでしょうかね。以下に書き留めておきます。

Balance billing disclosure notice(残高請求開示通知)

Health care servive may be provided to you at a network health care facility by facility-based physicians who are not in your health plan. You may be responsible for payment of all or part of the fees for those out-of-network services, in addition to applicable amounts due for co-payments, coinsurance, deductibles, and non-covered services.
(病院でのサービスは、ネットワーク内の病院施設であっても、保険に含まれない施設ベースの医師によって医療が提供される場合があります。お客様は通常の自己負担額、共同保険額、自己控除額や対象外のサービスへの支払いに加え、これらのネットワーク外の医師によって施された治療費の一部もしくは全額を支払う責任があることがあります)

What is a facility-based physicians?
Facility-based doctors are anethesiologists, emergency room doctors, neonatalogists, pathologists, radiologists, and similar types of doctors.
(施設ベースの医師は、麻酔科医、緊急治療室の医師、新生児専門医、病理医、放射線科医、もしくは同様のタイプの医師です)

極端な架空の例で説明すると、東大閥の病院と慶応閥の病院があり、自分の保険は慶応系列の病院なら保険が利くが、東大系列の病院はほとんど利かないと想像してください。大した病気でないときは保険が利く慶応系列の病院に行き、いつもの先生に診てもらう。これは問題ないです。しかし急に発熱し息苦しいので慶応系列の病院の夜間外来に行き、意識が薄れるなか藁をつかむ思いで治療に同意し、受けたとします。無事回復して安堵するのもつかの間、送られてきた請求書を見てびっくり。コロナ対策で医師が不足し、応援に来てもらっていた宿直、スタッフは東大系列だったらしく保険の対象外。結果本来の3倍近くの金額が請求された、ということが起こりうるということです。それに対して保険側としては交渉はするけど「責任は持てません」とあらためて通知してきたのが、今回の手紙です。

何故このようなことが起きるか、というと上の極端な例でいえば、同じ医療サービスでも提供する医師のレベルにより値段が違うということ。アメリカの場合、優秀で経験ある先生はお金のとれない安い保険ネットワークには加入せず、腕と評判で対価の医療費を払える患者を診察するのです。一方で医学部出たばかりの先生、普通の先生は色々なネットワークに加入し患者を紹介してもらうメリットを享受する一方で、医療費に対してはある程度保険屋の言いなりになるという仕組みなのです。大雑把に言えば、ですが、日本と違うのがよくわかるかと思います。実際、アメリカで医師を探す場合「新規患者を受け付けますか?」と相手に聞くのが一般的なのです。保険がカバーするネットワーク内の医師ですら平気で「新規患者は診ません」という所、あります。

しかしこの時期に送ってくるかな、というのが正直な印象ですが、保険会社も政府からコロナウイルス検査代金は請求するな、とかプレッシャーを浴びて大変なんでしょう。彼らも民間会社なので過度の負担を負えば破産もするわけです。もしかしたらルイジアナの場合、病院だけでなく保険会社も逼迫しているのかも知れません。
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