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ポスドクでも自分で自分を雇う重要さ [グリーンカード]

昨日からルイジアナでも久しぶりに涼しくなり始めました。晩には摂氏で一桁になった感じです。肌寒くて一枚上着を着ても暑くないことに感動しています。なんか冬、って感じでいいです。

今日はちょっと繊細な(センシティブを訳してみましたが、しっくりこないです)話題を綴ります。たまたまですがネットで以下のような有益なブログを見かけたからです。

日本人ポスドクが応募可能なフェローシップ・研究助成の網羅的リスト

私が大学院在籍時このサイトがあったかわかりませんが、知っていたら違ったかもと思いました。少なくともこれらのフェローシップのどれかに応募していたと思います。ただ学術振興会は当時確か年齢制限があったんじゃないかな、と思いますが記憶が定かではありません。1つだけ言えるのは自分でお金を引っ張って来れたら、余程性格に難があるか、英会話が全く出来ないでもない限り、自分が希望する場所でポスドクの職にありつけると思います。ポスドクという職の良し悪しについて話をするのはまたの機会にしますが、アメリカの場合雇われるのにお金がかからない、というのはすごい武器です。学部生だってPIの思うようにラボで働かせるにはお金がかかりますから。

自分の経験談をすると、アメリカでは私の分野の場合、F32(ポスドク、個人)とかT32(Ph.D.の学生とポスドク、ただし与えられる先は研究機関)を取れるとNIHから給料が出されるので雇う側は非常に楽です。比較的取りやすいのに、取れたらレジュメには泊がついたりします。しかしグリーンカードを持たない留学生は対象外なんですよね。F-1でOPT申し込んで、所属する分野がSTEMだと延長期間入れて36ヶ月の米国滞在そのものは可能ですが、行き先は新たに(外国人)ポスドクを雇える大きなグラントを持った研究者か、大きな研究機関でポスドクを雇えるような太っ腹のスタートアップ・パッケージをもらった超有望研究者のみ。雇う側の彼らも業界で生き残らないといけないから、自分の研究に直結した優秀でひたすら働くポスドクを欲しいわけですから、そこでポスドク職ですら得るのも簡単ではないのです。

さらに幸運にもポスドク職を得ても3年後にはビザが切れて雇用主にH-1Bを申請してもらう必要があり(注:この期間にすでに大きな業績があってEB1-Aでグリーンカードを申し込める人は別、EB2-NIW経由では米国滞在が可能なもののpremium processingを使えないため承認に時間はかかるし生活は非常に不安定)ますが、申請費用負担などお金と時間がかかるので嫌がるところが少なからずあるのも事実です。またH-1Bもらっても期間は3年、他のラボに移りたくても新しいところでまた申請してもらわないといけないからまたハードルが上がる。それだったら頑張って自分でお金引っ張ってきて、フェローシップの期間は気持ちを楽にして研究するっていうのがいいに決まっています。少なくともその期間中「クビ(アメリカでは日常的にあります)」になる可能性は低いですしね。

私は日本で社会人(しかも営業)を経験してからこちらに来たので、自分でお金を引っ張って来る重要性を十分に理解していました(と思う)が、大学院出てすぐのときにそれを自覚するのは大変なことです。ただこれが出来るか出来ないかで将来の就職にも関わってきますから、今後このような道を通ろうとしている人はこのステップを確実に踏み、自分の願う恵まれた環境で研究に勤しんで欲しいなと切に思います。

P.S. 小さな地方大学のテニュア・トラック職なのに偉そうなこと書くな、と不快に思う方がいたら申し訳ありません。仰るとおりですので、忘れてくださいね。
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