SSブログ

米国大学卒業式のガウンと帽子を通じて人を見る [日常]

今日は大学の卒業式で、教員ももれなく出席させられました。ガウンと帽子を被らないといけないし、朝早くに行かないと行かないし(私の学部の場合、7時半集合。しかしこの時間に行くと駐車場が混むので、私は7時すぎには会場に行くようにしている)、式の間は起きていないといけないし、で結構な負担です。こんなこと考えているのは私だけ?と思い同僚に質問してみましたが、英語が母国語である彼らも式は退屈でスピーチを聞いても「眠くなる」そうです。「枯れ木も山の賑わい」である教員も実は頑張って起きていることを皆さんに理解していただけたら、と勝手ながら思います。

待っている時間も結構長いので、今日も同僚とレガリア(アカデミック・ガウン)の話になりました。卒業式の正装でガウンのほかにフードと呼ばれる肩から背中に(正確には前方の首の下から後ろに)かけるものがあります。通常そこに出身大学のカラーが使われるので、その色を見て「どこでPh.D.とったの?」という話になるのですが、私の大学の場合異様な割合で地元の「紫」が多いのです。この状況は日本で見られる「天下り」に近いです。ルイジアナ出身もしくはそこで学位を取った人(ただしアメリカ人)が出来の良し悪しにかかわらずルイジアナで圧倒的有利に就職できる現実があり、こうなります。日本語とは言えこれ以上書くと大学に睨まれかねないので書きませんが、悪いことが流転し自らそのスパイラルから逃れられない南部の一面を見ることが出来るわけです。

さてそのレガリアなのですが、教員の一部、そして壇上に立つ人は特に豪華なものを着ます。薄っぺらいガウンが一番安くほとんどの学生は卒業時にそれを着るのですが、大学教員になりお金も持つと、わざわざ色が着いて生地が厚くもこもこした高いものを買いなおして着ます。ちなみに通常学士だとフードがなく、大学院卒の人はフードをかけます。腕に3本の線が入っているのがDoctoralの学位を取った人です。またここの色で何の学位を取ったかわかります。例えばPh.D.は青、M.D.は緑です。

廉価版の例
classic.jpg

豪華版の例、カスタマイズしてもっと豪華に出来る
delux.jpg

私はそもそもまだ壇上に立つことはないですし、別に学生と同じで構わないので学生時に使用したものを未だ着て式に参加していますが、見栄っ張りの人は早速豪華なガウンやキャップを買っては着て、これ見よがしに周りに見せつけます。教員とはいえ他大学なら卒業式に参加すらしなくていい段階なのにこの張り切り具合はどうなんでしょう?と思うのですが、何にお金を使うかは個人の自由なので見せつけられたら「いいねーすごいねー」とか言って褒めておきます。価値観が違うだけ、と思いたいのですがこれらにすぐお金をかける人に一定の傾向も感じます。でもここで書いてしまうとまた「ピー」となるので書くのは止めておきましょう。

ともあれ今学期に学校や大学、大学院を卒業された方、おめでとうございます。今後の活躍を心からお祈りしています。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。