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大学が提供する初等教育にみる格差社会 [日常]

専門とは全く関係ないものの、大きな枠組みの中で私が在籍する学部は教育学部となっています。夏休みになると大学は子供たちのキャンプの場、と化すのですが、キャンプといっても種類はスポーツもあればバンドやダンス、はたまたうちの学部が主催するお勉強キャンプもあるわけです。

今日メインキャンパスに用事があり、そこでお勉強キャンプを覗く機会がありました。それほど多くない生徒(児童か?)にほぼ同数の教員とそのスタッフが何やら色々と教えるというか、楽しみながら学ばせている感じでした。ちょっと見る限りでは小さそうに見えましたが、大学のHPを確認すると今週はPre-KとK(1-6)ということです。となるとおそらく見たのは幼稚園生のクラスですが、それにしては内容が大人びているように感じました。

Academic Enrichment Program

イヤらしいことにこのキャンプ、誰でも入れるわけではないのです。資格試験に合格しないといけません。

The Academic Enrichment Program (AEP) at University of Louisiana at Lafayette is committed to serving gifted and high potential students. Students must qualify for admission to the Center for Gifted Education programs.

(ルイジアナ大学のAcademic Enrichment Program(AEP)は、才能あふれる潜在能力の高い生徒への貢献を約束しています。 生徒は才能教育センタープログラムへの入学にあたり、資格を得なければなりません。)

すでにこの広告が出た時点で資格試験に関する募集は締め切っており、次回の選考は秋学期になるとのこと。つまりこのプログラムに参加出来るのはすでに「資格を得てプログラムに参加したことある」よい子ちゃんだけなのです。これじゃ塾と一緒ですね。そもそもここの教育学部にはこのような生徒を教えるための専攻(修士課程)があり、さらに教授法やカリキュラムなどを研究するセンターもあるようです。全米でもこのような包括的なセンターは20足らず、ルイジアナではここだけ、というのがウリだとか。

Center for Gifted Education

先ほどライブドアの記事でモーリー・ロバートソンさんが描いたものを読んだのですが、天才的な個を育てるのがアメリカ、ボトムアップに注力するのが日本、という記述は非常に的を得ていると思います。

ハーバードで見た「格差超大国アメリカ」の強烈な光と影

州や大学からの奨学金もそうですが出来る子はさらに多くの機会に恵まれ、普通以下の子は最低限の機会しか与えられない。そんなことがこんな小さい州立大学ですら日常的に起きています。これを実力社会と呼ぶか、差別もしくは平等でないと呼ぶかは判断に任せますが、なんだかんだ言ってこういう制度を支持するアメリカ人は日本人より多いように感じます。
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